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素人レンズ教室−その3  収差(1) 


お正月は収差だ!!!!

多くの皆様から「次は収差だ」という強いプレッシャーをいただいたので、素直に「収差」に入らせていただきます。

でも一般のレンズ解説みたいに「xx収差とはなんぞや」をご説明したところで、まったく実践的でないということは私自身も普段からそのように思ってきましたので、今回から
「実証的収差の勉強」を致したいと思います。でも、繰り返し申し上げますが、素人なので、間違ってるかも知れませんから、その辺りは悪しからず。

(1)収差の種類
   理論は後回しにして、まず収差の種類と特徴点を全体的に把握することが重要です。
   基本的には収差は
「5+2種類」と覚えましょう。

 

(2)収差と間違えやすいもの
   @口径食
   Aフレア
   Bレンズの曇り、カビ、バルサム剥れ

(3)収差の実例写真
   実例がなければ、実証的収差の勉強とはなりませんので、代表的滲みレンズの画像(全体、周辺部、
      中心部-一部画像のみ)を上げておきますので、描写の特徴を認識してください。

 

球面収差、コマ収差、それほど強くない程度に混ざりあっているようです。非点収差もあるようですが、サジタル面、メリジオナル面のコントロールが上手く調整されており、柔らかい像面湾曲という感じでしょうか。

 

タンバールは球面収差を大きく過剰にすることによって、ソフト効果を出していますので、過剰補正ならではの強い輪郭がボケに見えますね。点光源から発生するコマ収差を取り込んで面白いボケの形です。

 

キノ・プラズマートも開放では過剰補正されておりますので、輪郭が見えます。しかしこのレンズの最大の特徴は円周上の飛天収差によるぐるぐるですね。

 

コマ収差が見事に出てます。もちろん球面収差による輪郭や、非点収差のぐるぐるもあります。

 

このレンズの測定はしておりませんが、他のスーパーシックスでは球面収差がかなり補正不足でしたので、全体的にボケがソフトのようですね。とても美しい描写に見えます。

 

輪郭の全く見えない非常に美しいボケです。この画像では見えませんが、さらに光源が強くなると、非球面レンズ独特のボケの内側が年輪のようになる玉ねぎボケも現れてきます。

 
 

ノクチルックスf1.2ほどではないですが、非常に美しいボケを持っています。非球面を使用せずにこの補正は見事ですね。

 
 

定評のある8枚玉ですが、素晴らしいボケ味だと思います。多少の輪郭線はきちんと補正されている証でしょう。

 
 

今回は情報量が多いので、とりあえずここまでにします。